日本のスマートシティの取組を紹介する政府国際広報事業に荒尾市が取り上げられました。
荒尾市の取組を紹介する番組は、ニュース専門の放送局であるフランスEuronewsで、欧州時間で1月18日から1月24日の間に、ヨーロッパ全域から地中海沿岸諸国、中東など世界163か国で放送されました。
今後、国内においても、政府広報として情報発信される予定です。政府広報としての情報発信がされましたら荒尾市ホームページにてお知らせします。
以下Euronews公式ウェブサイトから動画をご覧いただけます。
動画2分46秒頃から荒尾市の取組が紹介されます。
以下、放送内容の日本語訳です。※リンク先動画下部の英語テキストを和訳したものです。
日本のスマートシティ、「人間中心」の取り組みでウェルビーイングを向上
世界中どこを見渡しても、「スマートシティ」といえば効率化を促すためのテクノロジー重視型であることが多い。しかし、社会開発についてはどうなのだろうか。
日本では「人間中心」、つまり人間が主役の新しいタイプのスマートシティを生み出そうという計画が進行中だ。その名もSociety5.0。最新のテクノロジーを導入し、地域課題の解決と住民のウェルビーイングを向上させる取り組みを進める二つのまちがある。福島県の会津若松市と熊本県の荒尾市だ。どんな取り組みなのか、現地に足を運んだ。
会津若松市の例ー省略ー
九州に位置する荒尾市
荒尾市は人口約5.2万人のまちだ。同市には日本最大の規模を誇った「三池炭鉱」の一部があり、炭鉱施設の跡地はユネスコの世界文化遺産にも登録されている。しかし1990年代後半の炭鉱閉山後、荒尾市の人口は急速に減少した。近年、何千もの住民が外部へと流出し、その傾向は加速している。地域の再生と活性化を図るため、市はデジタル化に活路を見出そうとしている。
図キャプション・新しいスマートシティのマスタープラン(荒尾市)
2012年、荒尾市内にあった競馬場が閉じられた。しかしこの競馬場の跡地は、地域と住民へ新たな機会を提供するスマートシティへと生まれ変わろうとしている。35ヘクタールに上る敷地は「ウェルビーイング」に焦点を合わせており、市は千人を超えるの新たな住民を呼び込むことを希望している。
スマートシティの取り組み
荒尾市の新しいプロジェクトのひとつは、AIを活用した相乗りタクシーだ。利用者の乗車位置から目的地までの最適な経路をAIで算出することで、コストを低減している。
写真キャプション・AIを利用した乗り合いタクシー(荒尾市)
「ウェルビーイング・ミラー」という特殊な仕様の鏡も実証実験の段階に入っている。鏡の前に立つと、脈拍などからAIが身体的特徴を識別してくれるという仕組み。年齢、ジェンダー、笑顔や気分などが数値化されて鏡の上に表示される。健康度、明るさ、やさしさなどもスコア化され、それらの情報を元にして、利用者ひとりひとりに合わせた助言をしてくれるというわけだ。たとえば、運動する時間をもっと増やしたほうがいいとか、リラックスする時間を設けたほうがいい、などのアドバイスをくれるという。人々がより健康に、幸せに、長生きするための実用的なAIの応用だ。
荒尾市役所の担当課長・田川秀樹氏は、これらの取り組みが目指すのは「現在よりも生活の質が1、2段階上の社会に到達すること」と語る。
日本はこの新たな社会開発モデルで、国連が掲げる「持続可能な都市とコミュニティづくり」の達成にさらに近づくことを目指している。