部落差別とは、日本固有の差別であり、歴史的、社会的に形成された被差別部落に生まれ、育ったという理由だけで差別されるという全く不条理なものです。
荒尾市では、平成7年に「荒尾市部落差別をなくす等人権を守る条例」を制定し、部落差別をはじめ、あらゆる差別をなくし、人権尊重を基調とする差別のない明るいまちづくりを推進しています。
しかしながら、部落差別の現状は、結婚差別や就職差別など心理的差別が根強く残っており、「身元調査事件」、「土地差別事件」、「差別発言・落書き事件」、「えせ同和行為・関連事案」が発生しています。また、インターネットの普及に伴い悪質な部落差別に関する情報が氾濫しており、人権侵害につながる事案が複雑多様化しています。
こうした状況を踏まえ、平成28年12月に「部落差別の解消の推進に関する法律」(部落差別解消推進法)が施行されました。部落差別は許されないものであることを明確にし、部落差別のない社会を実現することを目的としています。
荒尾市では、この法律の趣旨を踏まえ、国や県との連携を図り、部落差別の解消に向け引き続き取り組んでまいります。
皆様の一層のご理解とご協力をお願いいたします。
以下に人権・同和問題(部落差別)関連の県条例、法律等を掲載しました。
「部落差別の解消の推進に関する法律」(平成二十八年十二月十六日法律第百九号)
目的
第一条 この法律は、現在もなお部落差別が存在するとともに、情報化の進展に伴って部落差別に関する状況の変化が生じていることを踏まえ、全ての国民に基本的人権の享有を保障する日本国憲法の理念にのっとり、部落差別は許されないものであるとの認識の下にこれを解消することが重要な課題であることに鑑み、部落差別の解消に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、相談体制の充実等について定めることにより、部落差別の解消を推進し、もって部落差別のない社会を実現することを目的とする。
基本理念
第二条 部落差別の解消に関する施策は、全ての国民が等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、部落差別を解消する必要性に対する国民一人一人の理解を深めるよう努めることにより、部落差別のない社会を実現することを旨として、行われなければならない。
国及び地方公共団体の責務
第三条 国は、前条の基本理念にのっとり、部落差別の解消に関する施策を講ずるとともに、地方公共団体が講ずる部落差別の解消に関する施策を推進するために必要な情報の提供、指導及び助言を行う責務を有する。
2 地方公共団体は、前条の基本理念にのっとり、部落差別の解消に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、国及び他の地方公共団体との連携を図りつつ、その地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとする。
相談体制の充実
第四条 国は、部落差別に関する相談に的確に応ずるための体制の充実を図るものとする。
2 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、その地域の実情に応じ、部落差別に関する相談に的確に応ずるための体制の充実を図るよう努めるものとする。
教育及び啓発
第五条 国は、部落差別を解消するため、必要な教育及び啓発を行うものとする。
2 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、その地域の実情に応じ、部落差別を解消するため、必要な教育及び啓発を行うよう努めるものとする。
部落差別の実態に係る調査
第六条 国は、部落差別の解消に関する施策の実施に資するため、地方公共団体の協力を得て、部落差別の実態に係る調査を行うものとする。
附則
この法律は、公布の日から施行する。
平成28年12月に施行された「部落差別解消法」を受け、荒尾市では、県と連携して、部落差別の解消を図る啓発等の様々な取組を行っています。差別解消のためには、荒尾市民一人ひとりの皆様のご理解とご協力が必要です。