わたしたちのからだはおよそ60兆個の細胞からなりたっていて、からだに必要な栄養素と酸素を細胞に運ぶことで、からだは活動し生命を維持しています。栄養素の脂質の中のコレステロールも血液にのって細胞に運ばれ、細胞のひとつひとつを形作っている細胞膜の材料となっています。
コレステロールの大切な役目
- 細胞の形をきちんと形作り、細胞の内側と外側の物質の移動をスムーズにして健康、生命維持を行なっている細胞膜をつくります。
- 脳の神経細胞の電線の役目をする神経線維を絶縁体のように被い、脳の情報を素早く正確に体の隅々へ伝達します。
- ステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン、男性ホルモン、女性ホルモンなど)をつくります。
- 脂肪の消化吸収を助ける胆汁酸をつくります。
- 皮膚にあるビタミンDになる前の物質(プロビタミンD=7-デヒドロコレステロール)が日光にあたることでビタミンDに変わります。
血液中に増えすぎると危険です
細胞に運ばれず血液中にコレステロールが増えすぎると、血管の壁にくっついて血流が悪くなり動脈硬化を引き起こします。動脈硬化が進行すると血管が詰まりやすくなり、細胞に栄養と酸素が運ばれにくくなるので、生命維持が難しくなります。しかし、血管が半分塞がれても、まだ自覚症状はありません。
なぜ、血液中のコレステロールが増えるのでしょう?
食事から摂ったものと肝臓で作られたものがあります。
食事から摂ったコレステロールは、小腸から平均50%位が吸収され、血液中に入り体の中で利用されます。吸収されなかったコレステロールは、便中に排泄されます。食事中の他の成分によって影響を受け、特に食物繊維や植物性コレステロールを多く含む食事では吸収されにくくなります。
肝臓で作られるコレステロールとは、コレステロールそのものではなく、食事でとった脂質や糖質、タンパク質が肝臓に取り込まれたものでつくられます。肝臓で作られる主な原因となっているものがトランス脂肪酸や飽和脂肪酸です。
食事で気をつけることは・・・
- バランスのとれた食事をすること(食品と栄養素のバランス)
糖質、脂質を摂りすぎないよう活動量に見合った食事量(適正なエネルギー量)をとること - 食物繊維の多い野菜、海藻、きのこ類をとること
- 動物性の脂肪(飽和脂肪酸)より植物性脂肪を少し多めにとること
- 肉より魚を少し多めにとること
- ビタミンA・E・C(抗酸化作用)を充分にとり、血管が傷むのを防ぐこと
※コレステロールや中性脂肪などの血中脂質の管理目標は個人で違います。詳しくは管理栄養士にご相談ください。
荒尾市では管理栄養士に相談する場「健康栄養相談」があります。ご利用ください。
食事で解決! 生活習慣病 【健康栄養相談】(サイト内リンク)