「山口(やまぐち)　長(ちょう)府(ふ)庭園(ていえん)、愛(あい)新(しん)覚(さとし)羅(ら)社(しゃ)」視察(しさつ)事業(じぎょう)を行い(おこない)ました

　令和(れいわ)元年(がんねん)10月(じゅうがつ)19日(にち)(土曜日(どようび))、荒尾(あらお)市(し)日(び)中(ちゅう)友好(ゆうこう)促進(そくしん)会議(かいぎ)は当年度(とうねんど)の主催(しゅさい)事業(じぎょう)として、荒尾(あらお)市(し)で生まれ(うまれ)育っ(そだっ)た宮崎(みやざき)兄弟(きょうだい)と中国(ちゅうごく)の革命(かくめい)家(か)・孫文(そんぶん)ゆかりの地(ち)、山口(やまぐち)県(けん)下関(しものせき)市(し)へ総勢(そうぜい)30名(めい)で視察(しさつ)に行き(いき)ました。

　まず最初(さいしょ)に訪ね(たずね)たのは、長(ちょう)府(ふ)庭園(ていえん)。

【写真(しゃしん):長(ちょう)府(ふ)庭園(ていえん)視察(しさつ)のようす】

　ここは、長(ちょう)府(ふ)毛利(もうり)藩(はん)の家老(かろう)格(かく)であった西(にし)運(うん)長(ちょう)(にしゆきなが)の屋敷(やしき)跡(あと)で、ここの庭(にわ)の池(いけ)にはその名(な)も「孫文(そんぶん)蓮(はちす)」が植わっ(うわっ)ています。

【写真(しゃしん):孫文(そんぶん)蓮(はちす)(視察(しさつ)した時期(じき)には蓮(はちす)は咲い(さい)ていません)】

　この蓮(はちす)は、孫文(そんぶん)が亡命(ぼうめい)していた1918年(ねん)に、革命(かくめい)活動(かつどう)を支援(しえん)した下関(しものせき)の実業(じつぎょう)家(か)・田中(たなか)隆(たかし)に対し(にたいし)孫文(そんぶん)が贈っ(おくっ)た古代(こだい)ハスの実に(じつに)由来(ゆらい)するもので、田中(たなか)の死後(しご)、日本(にっぽん)の蓮(はちす)研究(けんきゅう)者(しゃ)の第一人者(だいいちにんしゃ)として知ら(しら)れる大賀(おおが)一郎(いちろう)氏(し)によって研究(けんきゅう)が行わ(おこなわ)れ、発芽(はつが)に成功(せいこう)。中国(ちゅうごく)では蓮(はちす)の実は(じつは)「同志(どうし)のちぎり」を表す(あらわす)そうです。1994年(ねん)に長(ちょう)府(ふ)庭園(ていえん)に植え(うえ)られ、荒尾(あらお)の「友情(ゆうじょう)の梅(うめ)」同様(どうよう)、日(にち)中(ちゅう)友好(ゆうこう)の歴史(れきし)を伝える(つたえる)植物(しょくぶつ)として大事(だいじ)に管理(かんり)されています。

　続い(つづい)て訪れ(おとずれ)たのは、下関(しものせき)市(し)綾羅木(あやらぎ)にある愛(あい)新(しん)覚(さとし)羅(ら)社(しゃ)です。

愛(あい)新(しん)覚(さとし)羅(ら)社(しゃ)は、明治天皇(めいじてんのう)の叔父(おじ)にあたる公卿(くげ)で、幕末(ばくまつ)に活躍(かつやく)した中山(なかやま)忠光(ただみつ)を祀る(まつる)中(なか)山神(さんじん)社(しゃ)の中(なか)にあります。愛(あい)新(しん)覚(さとし)羅(ら)社(しゃ)は、中山(なかやま)忠光(ただみつ)のひ孫(ひまご)で公家(くげ)・嵯峨(さが)家(か)の浩(ひろし)(ひろ)と、清朝(せいちょう)最後(さいご)の皇帝(こうてい)・愛(あい)新(しん)覚(さとし)羅(ら)溥儀(ふぎ)の弟(おとうと)で、浩(ひろし)と結婚(けっこん)した溥傑(ふけつ)を祀っ(まつっ)ています。

【写真(しゃしん):中山(なかやま)神社(じんじゃ)本殿(ほんでん)前(まえ)にて記念(きねん)撮影(さつえい)】

　溥傑と浩(ひろし)夫妻(ふさい)はとても仲(なか)が良く(よく)、北京(ぺきん)の自宅(じたく)で二(に)人(にん)が育て(そだて)たという朝顔(あさがお)の種(たね)が「日(にち)中(ちゅう)友好(ゆうこう)の朝顔(あさがお)」としてその子孫(しそん)により伝え(つたえ)られ、各地(かくち)で配ら(くばら)れています。そのうちの一つ(ひとつ)が神戸(こうべ)の孫文(そんぶん)記念(きねん)館(かん)であり、荒尾(あらお)市(し)も平成(へいせい)26年(ねん)に孫文(そんぶん)記念(きねん)館(かん)から種(たね)を頂き(いただき)、現在(げんざい)、荒尾(あらお)市内(しない)の小中学校(しょうちゅうがっこう)に毎年(まいとし)配布(はいふ)して育て(そだて)てもらっています。

【写真(しゃしん):宮崎(みやざき)兄弟(きょうだい)の生家(せいか)で咲い(さい)た「日(にち)中(ちゅう)友好(ゆうこう)の朝顔(あさがお)」】

　愛(あい)新(しん)覚(さとし)羅(ら)社(しゃ)のそばにある宝物(たからもの)殿(しんがり)には、日本(にっぽん)が中国(ちゅうごく)と戦争(せんそう)状態(じょうたい)に陥っ(おちいっ)た当時(とうじ)、時代(じだい)の波(なみ)に翻弄(ほんろう)されながらも日本(にっぽん)と大陸(たいりく)の懸け橋(かけはし)として尽力(じんりょく)した夫妻(ふさい)ゆかりの品々(しなじな)が展示(てんじ)されており、今日(きょう)の日(にち)中(ちゅう)友好(ゆうこう)の歴史(れきし)の源流(げんりゅう)の一つ(ひとつ)に触れる(ふれる)ことができました。

　最後(さいご)に訪ね(たずね)たのは、日(にち)清(しん)講(こう)和紀(かずのり)念(ねん)館(かん)です。

この記念(きねん)館(かん)は、日清戦争(にっしんせんそう)の講和(こうわ)会議(かいぎ)が開か(ひらか)れた春(はる)帆(ほ)楼(ろう)に隣接(りんせつ)して建て(たて)られた施設(しせつ)で、講和(こうわ)会議(かいぎ)で使用(しよう)された調度(ちょうど)品(ひん)や両国(りょうこく)の全権(ぜんけん)らの遺墨(いぼく)等(とう)が展示(てんじ)されています。宮崎(みやざき)滔天(とうてん)との因果(いんが)も深い(ふかい)李(り)鴻章(こうしう)ゆかりの品(しな)も展示(てんじ)されていました。

　当(とう)団体(だんたい)では、荒尾(あらお)とつながりの日(にち)中(ちゅう)交流(こうりゅう)の歴史(れきし)を学び(まなび)、見識(けんしき)を深める(ふかめる)事業(じぎょう)を行っ(おこなっ)ています。

　ぜひ、ご興味(きょうみ)のあられる方(ほう)は事務(じむ)局(きょく)にまでお問合せ(といあわせ)ください。