宮崎(みやざき)兄弟(きょうだい)と辛亥革命(しんがいかくめい)

孫文(そんぶん)

1866年(ねん)、孫文(そんぶん)は広東(かんとん)省(しょう)香山(こうざん)県(けん)で生まれ(うまれ)ました。12歳(さい)で長兄(ちょうけい)の孫(まご)眉(まゆ)を頼っ(たよっ)てハワイに渡り(わたり)、西洋(せいよう)文化(ぶんか)に触れる(ふれる)と、5年(ねん)後(ご)に帰国(きこく)し、広東(かんとん)・香港(ほんこん)の医(い)学校(がっこう)に学び(まなび)ました。

1894年(ねん)に革命(かくめい)組織(そしき)・興(おき)中(ちゅう)会(かい)を結成(けっせい)すると、孫文(そんぶん)は翌(よく)1895年(ねん)に広東(かんとん)での蜂起(ほうき)を計画(けいかく)しましたが、失敗(しっぱい)し亡命(ぼうめい)を余儀なく(よぎなく)されます。しかし、1897年(ねん)の宮崎(みやざき)滔天(とうてん)との出会い(であい)をきっかけに、日本(にっぽん)の志士(しし)との交流(こうりゅう)を深め(ふかめ)たことで、1905年(ねん)の中国(ちゅうごく)同盟(どうめい)会(かい)の結成(けっせい)に至り(いたり)、彼(かれ)はその指導(しどう)理念(りねん)として三(さん)民主(みんしゅ)義(ぎ)を唱え(となえ)ました。

孫文(そんぶん)を中心(ちゅうしん)とする革命(かくめい)派(は)たちの活動(かつどう)により多く(おおく)の若者(わかもの)に革命(かくめい)思想(しそう)が普及(ふきゅう)した結果(けっか)、1911年(ねん)に辛亥革命(しんがいかくめい)が勃発(ぼっぱつ)します。革命(かくめい)により清朝(せいちょう)は倒れ(たおれ)、アジア初(はつ)の共和(きょうわ)国(こく)である中華民国(ちゅうかみんこく)が誕生(たんじょう)、孫文(そんぶん)は臨時(りんじ)大統領(だいとうりょう)に選ば(えらば)れました。孫文(そんぶん)は、1925年(ねん)3月(さんがつ)12日(にち)に59歳(さい)で亡くなり(なくなり)ましたが、宮崎(みやざき)民蔵(たみぞう)・滔天(とうてん)兄弟(きょうだい)との友情(ゆうじょう)は最後(さいご)まで続き(つづき)、孫文(そんぶん)自伝(じでん)には「革命(かくめい)におこたらざる者(もの)」として「宮崎(みやざき)兄弟(きょうだい)」の名(な)が挙げ(あげ)られています。

孫文(そんぶん)と滔天(とうてん)集合(しゅうごう)写真(しゃしん)

(1913年(ねん))大正(たいしょう)2年(ねん)　孫文(そんぶん)革命(かくめい)成功(せいこう)謝礼(しゃれい)のため荒尾(あらお)市(し)上小路(かみしょうじ)宮崎(みやざき)民蔵(たみぞう)家(か)を来訪(らいほう)

写真(しゃしん)(背景(はいけい))宮崎(みやざき)兄弟(きょうだい)の生家(せいか)。大正(たいしょう)2年(ねん)3月(さんがつ)撮影(さつえい)。再(さい)来日(らいにち)した孫文(そんぶん)を囲ん(かこん)での記念(きねん)撮影(さつえい)。中央(ちゅうおう)左側(ひだりがわ)の背広(せびろ)姿(すがた)が孫文(そんぶん)、その右(みぎ)隣(となり)の着物(きもの)姿(すがた)が滔天(とうてん)。

背後(はいご)の梅(うめ)の木(き)は、現在(げんざい)も生家(せいか)施設(しせつ)敷地(しきち)内(ない)にあり、樹齢(じゅれい)は250年(ねん)から300年(ねん)と伝わる(つたわる)。

辛亥革命(しんがいかくめい)

1840年(ねん)から1842年(ねん)のアヘン戦争(せんそう)や、1894年(ねん)から1895年(ねん)の日清戦争(にっしんせんそう)の結果(けっか)、清朝(せいちょう)は西欧(せいおう)の帝国(ていこく)主義(しゅぎ)により半(はん)植民(しょくみん)地(ち)化(か)されていきました。中でも(なかでも)日清戦争(にっしんせんそう)で生じ(しょうじ)た膨大(ぼうだい)な賠償(ばいしょう)金(きん)は、清朝(せいちょう)の財政(ざいせい)を圧迫(あっぱく)し、半(はん)植民(しょくみん)地(ち)化(か)に拍車(はくしゃ)をかけました。

そのような中(なか)、孫文(そんぶん)は、清朝(せいちょう)による中国(ちゅうごく)支配(しはい)をくつがえし、新しい(あたらしい)政治(せいじ)体制(たいせい)を創設(そうせつ)することを目指す(めざす)革命(かくめい)運動(うんどう)を展開(てんかい)しました。孫文(そんぶん)たちは幾度(いくど)となく蜂起(ほうき)し、ことごとく失敗(しっぱい)しましたが、1911年(ねん)10月(じゅうがつ)10日(にち)武(たけ)昌(あきら)蜂起(ほうき)の成功(せいこう)をきっかけに、中国(ちゅうごく)全土(ぜんど)の革命(かくめい)的(てき)蜂起(ほうき)を促し(うながし)ました。これがいわゆる辛亥革命(しんがいかくめい)の起こり(おこり)です。1911年(ねん)12月(じゅうにがつ)29日(にち)、孫文(そんぶん)は、南京(なんきん)政府(せいふ)臨時(りんじ)大(だい)総統(そうとう)に選出(せんしゅつ)され、翌(よく)1912年(ねん)、国号(こくごう)を中華民国(ちゅうかみんこく)と定め(さだめ)ました。1912年(ねん)2月(にがつ)12日(にち)に清朝(せいちょう)の宣(せん)統(みつる)帝(みかど)が退位(たいい)したことで、270年(ねん)に及ぶ(およぶ)清朝(せいちょう)の歴史(れきし)が終わり(おわり)、また、アジア初(はつ)の共和(きょうわ)国(こく)の誕生(たんじょう)は、長き(ながき)にわたる中国(ちゅうごく)王朝(おうちょう)政治(せいじ)の終焉(しゅうえん)ともなりました。